翻訳家になろうと決めて最初にしたことは、習い事雑誌ケイコとマナブで目に留まった翻訳スクールに入学申し込みをすることでした。ㅤ
アメリカに4年半住んで、買い物や幼稚園の先生との挨拶や、自分の趣味のJAZダンスの教室も、困ることなく暮らせていたから、そこそこ英語はできるだろうと思っていたのです。
ところが。ㅤ
クラス分けのテストを受けたら、翻訳クラスになど到底いれてもらえない、英語の基礎を学ぶクラスの4段階の下から2番目のクラスでした。
初めての授業の日、先生にさされ、テキストの1段落分を音読して口頭で訳すように言われました。
しかし、シンプルな単語しか並んでいないのに、まったく意味が取れなくて、ただただ文の文字を見つめて立ち尽くしていました。
先生に「栗宇さん、これは中学で習う英語ですよ」と。
そんなところからの英語人生のスタートでした。そんな私でも、出版翻訳をし、英語を教えています。そんな私だから、わからない、できない、が分かります。
翻訳クラスでは、英文科卒や留学経験のあるクラスメイトがまぶしくて、劣等感まみれでした。だから私は、「人と同じように頑張る」以外の方法を探し始めました。
今は、できなかった私だったから階段の登り方が分かるんだと思えます。
「中学英語もちゃんと分かっていない」
「こんなこと、今さら聞いていいのかな」
そんなところからでも、大丈夫。だって私も、そこから始めたから。
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