先日、以前お世話になっていたダンスの先生からの英文メールに返信することがありました。
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先生からのお問い合わせに対し回答のメールをしたところ、さらにそれに対し返信が来た、という状況です。
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わたしが回答メールを出して、約24時間後にそのメールが来ました。時間的にはちっとも遅い返信というわけではありません。でも先生のメールには
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Thank you for getting back to me about this.
Apologies for the late reply.
(お返事ありがとうございます。お返事遅くなってすみません)
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とありました。
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先生はとても腰の低く、こうした日本人的な言葉の配慮を理解される方です。
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この後にさらに追加の質問が続き、その回答が長くなりそうだったので、いったん、こういう内容で英文の返事を作って、とAIになげたところ
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Thank you for your message, and no worries at all about the timing.
(メッセージありがとうございます。遅くなったことについてはどうぞお気になさらず)
という始まりになっていました。
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この冒頭、どう思いますか?
日本語で返信を書くとしたら、遅くなったことについてはどうぞお気になさらず、ってわざわざいうでしょうか?
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そうですね、あなたの返信は遅かったですということを、実際は遅くないタイミングで返信をくれているのに、言っちゃっている感じになりますよね?
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でもAIは、丁寧に謙虚に書かれた文に、やはりこちらからも、そんなことは気にしないで、と丁寧なつもりでこの文を作るのですが、結果的にちょっとズレた印象の文になってしまう。
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そう、この遅れてごめんなさいは、あえて触れないのがマナーとなる文言なのです。でも丁寧に応えようとするからこそ、AIは拾ってしまうのです。
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AIは「文字」を訳せますが、「文脈」や「暗黙のルール」を訳すことはできません。
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相手の謙遜をそのまま受け取って「許してあげる」というスタンスを取ってしまうのは、AIがコミュニケーションを単なるデータのやり取りとして捉えている証拠です。
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どんなに進化しても、AI翻訳は「空気を読んで削ること」ができない。人間の介在が必須のポイントです。
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今回は個人的なメールのやり取りでしたが、これはビジネス翻訳の現場でも全く同じことが言えます。
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今やAI翻訳のチェック・推敲は翻訳の仕事の本流になりつつありますが、AIが良かれと思って「足した」言葉を、文脈を読み取って「削る」。
この判断こそが、機械にはできない人間のチェックの本質だと感じています。
今回のような「一見丁寧だけどズレてしまう英語」は、AI翻訳を使った文章でとてもよく起こります。
もし、
・自分の英語が自然かどうか不安
・AIで作った英文をそのまま使っていいのか迷う
という方は、英文プロフィール診断で一度見直すことをおすすめします。
(プロフィール以外の英文も受け付けております)