英語脳のつくりかた:効果的な英語学習方法 (2) 英語脳を育てるには負荷が必要

前回の記事では、「英語脳とはなにか」と「英語脳ができる仕組み」について書きました。

今日はその仕組みにしたがって、英語脳を脳の中につくるのに何が必要かを書いていきます。

英語脳を育てるのに必要な負荷とは

英語脳を育てるのは筋トレと同じしくみです。

トレーニングという負荷をかけると、筋肉なら負荷のかかった場所が発達します。

脳の場合、言語を扱うための場所が決まっていて、そこに負荷となる刺激を与えると筋肉ではなく神経回路が発達します。

じゃあ英語脳をつくるための負荷はなんなのか。

けっきょく、英語にたくさん触れることです。

必要な負荷の量は?

具体的には、日本の平均的な社会人がビジネスレベルの英語力をつけるために必要な負荷は、1600~2000時間だそうです。

これを日割り計算すると

2時間の勉強を毎日2年半、となります。

けっこうな量ですし、時間もかかります。

でも負荷とならない学び方は血流が増えないため、やっても効果がないか、長い時間がかかってしまいます。

人間の脳の学習の仕組みを模したAIのディープラーニング

AIだって回路(ニューラルネットワーク)を構築するには、たくさんのデータを入れ、分類したり判断したりするための法則をひとつひとつ関係性を学ぶ必要があります。

だから人間の脳がそれをすっとばして、負荷をかけずに習得が可能なはずはないのです。逆に十分な負荷をかければ、それは構築されるということ。

人は1万時間のトレーニングがあれば、プロ級になれるという統計があります。

気が遠くなるような話です。

でもやればできるようになるという確かなことでもあります。

とはいえ、大変はたいへん。

大変だから途中で十分な負荷がかかるまえに、挫折してしまうわけです。

でも、英語のレッスンをしているうちに、効率悪いトレーニングに時間をかけている人が多いことを発見しました。同じ負荷でも、人によってよく効くものとそうでないものが違うのです。

自分にはあまり効かないものをやっていては、しんどいうえに嫌にもなってきます。

自分によく効く方法はどうやって見つけるのか。

次回はその方法を解説をします。

英語脳のつくりかた:効果的な英語学習方法 (1)

英語脳とは

英語脳って聞いたことありますか?

英語脳というのは造語なので、人によって定義がちがいます。日本語で考えてそれを翻訳して英語としてアウトプットするのではなく、考えるところから英語でするのを英語脳という人が多いです。

それができるのも、脳の中に日本語とは別に、英語を専用に処理する場所が発達しているから。

この記事では英語脳を発達させる仕組みを解説します。

英語脳がつくられるメカニズム

英語を専用に処理する場所を「英語野」と専門用語ではいいます。

英語を流暢に話す人はこの英語野が日本語野とは別にできあがっているわけです。

逆にこれがない場合、英語を聞いても日本語野で処理しようとするため、理解できません。

じゃあこの英語野、どうしたら作ることができるのでしょうか。

英語野を育てるトレーニング

人の身体はどこも同じ。脳に英語野をつくるには、筋肉と同様にトレーニングして血流をそこに送り込むことが必要です。

腕の筋肉を鍛えるなら腕に負荷をかけて筋トレしますね。

英語野を鍛えるなら、脳に負荷をかけてトレーニングするのです。負荷は脳への刺激です。

そしてなにが刺激かと言うと、英語を読む聞く書く話す、これをするしかありません。これを負荷がかかるようにすることで、血流が増えます。情報を処理できるように、脳の神経回路が発達していき、それが英語野となります。

だから負荷をかけずに英語ができるようになる、ということは脳の構造上ありえないといえます。

まとめ

英語脳を発達させるためには、結局、英語をインプット&アウトプットが必要です。

読む、聞く、書く、話す、この4つを取り入れ、積極的に英語に触れることで、あなたの脳は徐々に英語を処理する新たな能力を獲得していきます。

次回は、どのぐらいの負荷が必要なのか、について書きます。


栗宇美帆 公式LINE
ご登録いただいた方に「英語学習を楽にする強み診断」をプレゼントしています。
お友達登録していただき、トーク画面で「強み」とメッセージしてください。ご案内が出ます。
https://resast.jp/page/fast_scoring/1647

単語や文法を覚えて定着させるには?

単語や文法をどうしたら覚えられますか?というのは、受験生のみならず英語を使えるようになりたい人には、重要なテーマです。

中学レベルからプロの翻訳者になるまでの自分をふり返って、どうやって文法や単語が今の量まで入って、そして忘れずにいられるのか考えてみました。

万能薬はない

ひとつ確かに言えることは、たったひとつのアプローチでは無理だということ。

たとえば、この文法書を読めばいいとか、単語を書けばいいとか、そういう一つの作業だけでは頭に蓄積され、いつでも使える状態にあって忘れない、というようにはなりません。

たとえば、文法書や単語帳に出てきて知った単語を、まずは自分に合ったやり方で覚えます。ただし、それで終わりだと必ずといっていいほど忘れるし、結局実地でどう使われるかがわからないので、使えるようになりません。

浮き輪というものを、文字でいくら読んで説明をされても、実際に水の中で使ってみなければ真に理解できないのと同じです。

出会った単語が、別の読みものにも出てくる、別の音声で耳にする、そして自分でも使ってみる、使ってみたときの相手の反応を感じる、こうしたプロセスを経た単語や文法は記憶に定着します。

そして面白いことにこういう勉強の仕方をしていると、なぜか同じ単語や表現、文法の項目に複数の場面で連続して遭遇することがしばしば起こります。

なので、たった一つの方法を探すのではなく、なるべく多角的にアプローチすることが覚えて定着させて忘れないために、もっとも有効な方法なのです。

人生の転機となる英語

スティーブ・ジョブズのスピーチの中で有名な「点」のエピソードがあります。

彼は、大学を中退した後、そのまま大学のカリグラフィー(英語のお習字みたいなもの)のクラスに出席し続けました。

そのときはそれがなんの役にたつのかなどはまったく分からないまま、興味に従って本来の専門分野ではないその授業に出ていました。

のちにそこで得た知識が、マックをマックたらしめる、美しいフォントの土台となっていきます。

彼はこのエピソードで「将来を予想してをつなぐことはできない。 後に人生を振り返った時にしか、点と点をつなぐことはできない。 今やっていること(点)が、いずれ意味をなす(点と点がつながる)と信じて取り組みなさい。」ということを伝えています。

英語を学ぼうと思う人は、なにかのために、と目標がはっきりしている人もいるでしょうが、なぜかわからないけれど英語を学びたいと思う人もいるでしょう。

今の自分には必要ないから、苦手だから、できないところを晒すのはカッコ悪いから、お金・時間がないから。。。そういう理由で、なぜか英語が気になる、という想いをつぶしてしまうのは、点を消してしまうことかもしれません。

英語がぺらぺらになる必要さえ、ないかもしれません。英語の学習の中で出会った言葉が将来の重要なヒントになるかもしれないし、ライティングで書くことではじめて自分の深い想いに気づき、その後の道が決まるのかもしれません。

私も、子どもの頃はなぜか、日本の文学ではなく海外の翻訳ものばかりを好んで読んでいました。将来、翻訳家になるためではありません。ただそれに惹かれたからです。

でもその体験が、欧米の文化や歴史の背景を知ることにつながっており、翻訳をしたり、英語を教えるうえで大きな点となっています。

英語という存在が気になるのであれば、とにかく触れてみてほしいのです。

それが将来の人生の一点になる機会を手に入れてほしいのです。

45分無料オンラインで英語学習のご相談、ご自身の英語との関係を知るセッション、随時行っております。

おもうしこみはこちらから

使える英語を身につけるにはキャラが大事

せっかく英語を勉強するなら、ちゃんと身について使える英語にしたいのは当然ですよね。

でも意外と「使える」かどうかを意識していない人が多いです。

多くの人が漠然とペラペラになりたい、と思っている。でも、ペラペラな英語にもいろいろな種類があります。

日本語だって、日本人それぞれタイプが違えば話し方も違う。

たとえば、経営者として堂々とした雰囲気の人がJK用語を使いまくっていたら、違和感はぬぐえません。

英語も同じです。あなたはどんなキャラとして人と接したいのか。そのキャラにあった英語を話さないとどうにもちぐはぐな印象を相手に与えてしまいます。そのギャップを狙うなら別ですが。

自分がどんなキャラで英語を使いたいのか。あるいは、自分はどんなキャラの英語を話すと違和感なく受け止めてもらえるのか。これはスムースにコミュニケーションを進めるのに重要です。

キャラに合った英語を身につけるには、自分のキャラ、あるいはなりたいキャラ、そして自分の影響力のタイプを知り、それにあった英語教材を選択していく必要があります。

あなたはどんなキャラがぴったりですか?どんなキャラになりたいですか?

記憶に定着する単語の覚え方

英単語を覚えるのによい方法は自分なりの日本語の意味で覚えていくことです。

英単語を覚えるときに、英単語と相対する日本語単語を1対1で覚えていくやり方は、忘れやすいし使おうとすると出てこなかったり、実は使うととんちんかんだったりします。

その理由は

1.英単語も日本語の単語も1つの単語に一つの意味というわけではない

2.文脈によって、その日本語が当てはまらないことが多い

3.字面の日本語だけで紐づけると他の単語とごちゃごちゃになる

時間は少しかかりますが、単語は例文もチェックし、その例文を訳すのにしっくりくる自分なりの訳語で日本語を紐づけると、思い出しやすくなります。

そして自分で考えた意味を辞書にメモしたり、自分だけの辞書を作ってストックしていくと、語感ごとしっかり定着し忘れない記憶ができていきます。

単語量を増やしたい方はぜひトライしてみてください。

Have a sweet day!

点当たり前すぎて説明されない英語学習のド基本3点

英語がなかなか上達しない、とくに文法が苦手という人は、この英語のド基本の3ポイントを理解していないからかも。

  1. 同じ品詞どうしは基本的に並べることはできない
  2. 文型を無視した文はありえない
  3. 時制を制するものは英語を制する

この3点です。多くの人が意識からはずれがちのものから並べました。なので説明はピンときやすい3からすすめますね。

3の時制は、大事そうだなあというのはお気づきになっている方は多いでしょう。テストにもたくさんでるしね。

時制というのはある意味、日本語と決定的に違う世界観を表す要素です。なぜこの動詞が過去形なのか、現在形なのか、その時制の形だけで、日本語で説明すると1文になってしまうようなことが説明できてしまうほど、そこでその時制が使われる理由が明確なのです。日本語はかなり時制はあいまいです。

2の文型。これも英語の参考書や教科書の最初に出てくるので、なんか重要なんだろうなあ、とは思うけれど、授業でもさほど時間を割かないので、なんとなーく言葉だけ覚えてる、っていう人が多いのでは。

でも、英語の文は10個にみたない文型のどれかに必ずあてはまります。当てはまらない場合でも、省略されていたりひっくりかえっていたりしているだけで、かならず絶対に文型にそって出来ているのです。

しかもその数は大基本が5個、そこに2~3個派生したものがあるだけ。

どんなに長い複雑な文章でも、文型を見抜ければ読み解くことができるし、複雑なアイデアでも文型がわかっていれば、長くも短くも自由にかたることができるのです。

最後に1

これを忘れちゃってる人、ていうか、そもそも知らない人が驚くほど多い。

でもこれが英語の底辺の大基本です。この性質があるから、他のすべての文法がそれにあわせてでき上がっているといっても過言ではありません。

品詞というのは、名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞などなどです。単語の種類を表します。

英語では一つの文の中で、名詞と名詞がなんのつなぎもなく並ぶことは原則ありません。

つまり

I you go to school.  

こんな風にIという代名詞とyouという代名詞がandというつなぎなしに並ぶことはできないのです。

I go to school.はだいじょうぶ。goは動詞だからです。

でも
I have see the bird. は、今度はhave とseeの動詞が並んでいるのでNGなのです。

並べたかったらandなどの接続詞を使うなど、なにかしら手段をとらなければなりません。

難しい文法の項目の前に、まずこの3つを徹底的に叩き込む。これが木の幹です。どんなに他のことを勉強してもこの3つがいい加減だと、ペラペラにはなりませんし、せっかく難しい表現をつかってもちぐはぐな英語になってしまいます。

逆にこの3つをおさえれば、簡単でシンプルな英語で十分伝えていくことができます。

英語脳はスキルではない

英語脳を、とにかくたくさん勉強すれば身につくスキルだと思っていませんか?

これは残念なお話であり、朗報でもあります。

英語脳はスキルではないんです。スキルでなくマインドセット、対話における心構えなのです。

人になにかを伝えようとするときの根本的な心構えが英語と日本語とではまったく逆。

言葉の順番が逆ってよく聞きますよね。でもそれは形の話。ここでいうのは、対話の責任の比率です。

英語では、聞き手や読み手といった受け取り手が間違わずに理解できるように話をするのが当然というマインドセットです。だからこそ、文型という決まった型があったり、a やthe、複数単数、など細かい設定があるのです。これらはひとつとしてあいまいに適当に並べられていません。

なぜその場所でその単語があるのか、それがなにを指しているのかが、かならず文法によって読み解けるようにできているのが英語です。だからこそ、聞く側、読む側は発した側の思惑に近い形で誤解少なく、理解できます。

その理解は文の作り手の責任重大なのが英語です。

一方の日本語は逆です。

聞く側が行間を読みまくる言語です。相手が行間を読んで理解しようとしてくれるので、話す側は分かってくれる前提で発信します。むしろはっきり言わないことをよしとするのが日本語です。受け手を尊重し、対話の責任を渡しています。

話を聞いて分からないとなったとき、日本人は「ごめんなさい、わからなかったのですが」と謝る人が多くないですか?英語ネイティブはただ「分からない」というか、質問を躊躇なくしてきます。それは責任を持っている話し手を責めているのではなく助けることになります。

質問しなかったのに、話し終わってみたらぜんぜん理解していない。これほど英語ネイティブの話者ががくっとなることはありません。

英語は誤解なく伝わるようにすることが重視される。これが文法にも単語の成り立ちにも現れています。

英語脳を手に入れるには、日本語の聞き手主体のマインドセットではどうしても行き詰ります。でも、先にこのことが理解できていれば、文法や単語がなぜそうなるのかというところから学ぶことができるので、スムーズにすっきりと理解しやすくなるのです。

繰り返し勉強が苦手だった私が翻訳者になるためにとった文法の勉強法

文法をしっかりおさえようと思うと、繰り返し何度も文法書を読んで覚える必要があります。でもこの繰り返し作業がどうしても苦手な人っていませんか?

私は本当に繰り返しが苦手でしたし、今も同じことを何度もやるのが苦痛です。予習して授業聞いて復習、このプロセスも苦手でした。

文法は英語習得にどうしても必要。頭に入れるには何度も読まないといけない。でも、読みだすと居眠りしちゃう。ちっとも先に進みません。

そこで、考えたのです。繰り返さずに文法を頭に入れる方法はないか。そして編み出しました。

繰り返し読んで覚えるのではなく、複数の文法書を読んで、書かれている中で違うところを見つけるというゲームに変えたのです。

文法書ってどれも同じことが同じ順番に書いてあると思われがちですが、実はそれぞれ特徴があって、説明の仕方も違うし、例文も違うし、こっちには書いてあるけれどあっちには書いていない、なんていう項目もあるのです。

とはいえどれも文法書なので、主なことは同じことが書いてあるので、2冊読めば2回読んのと同じ効果があるわけです。しかも、片方にない情報をもう片方で得られるので、むしろ時間や労力に対する効果は繰り返し読むより高い!

初級者むけの情報の少ない文法書は、わかりやすい言葉で要点をおさえているし、上級者向けは例外などの細かい事例が乗っていて理解の幅を広げるのに役立ちます。

ちなみに私は7冊の文法書を読みました。問題集や辞典もいれるともっとです。間違い探しではありませんが、ここにはこんなことが書いてある!と宝さがしのようなゲーム感覚で文法の大筋を頭に入れることができました。

繰り返しが得意という方は当てはまらないかもしれませんが、新しい情報が好きという方にはおススメの勉強法です。図書館を利用したり、友人と貸し借りすれば、買わなくても複数を読むことができますよね。

最終的に自分に合った1冊を手元に用意すれば、その文法書はあなたの英語学習の最強の見方になってくれます。

英語を勉強しているのになかなか身につかない

英語を勉強しているのになかなか身につかない

  • 英語を聞けばわかるのに見ても発音がわからない。
  • 文を読んで理解できるけれど聞くと言葉として聞こえない。
  • 会話はできるけれど長文は迷子になる。

こんな風に英語の悩みはさまざま。
そして、こうしたお悩みを長年抱えて、できている人の話を聞いてそのやり方を熱心にやってみても、ちっとも上達せず心が折れてしまう。

こうした方は本当にもったいない!と叫びたい。いや叫んでいます、いつも。

上記のお悩みの方たちは、実際に生徒さんにいらっしゃいます。そして始めは、だから自分は英語がダメなんだ、と思い込んでいらっしゃいました。それでもあきらめきれず私のところへ。

でも、このお悩みの言葉にすでに現れていますが、この方たち全員、使えるものを使わず合っていない方法ばかりトライして撃沈しているだけなんです。

英語の能力、才能がないのではなく、自分の特性、強み、合った方法に気づいていないだけ。

でも仕方ないのです。この方たちが悪いのではない。学校の授業はひとり一人にあった学び方をいちいち提示してくれませんし、特性を具体的に測ることは大人数のクラスでは不可能に近い。

大多数の人ができることが、みんなできて当たり前になり、そのやり方が王道、正しい方法、さらにはそのやり方しかない、と刷り込まれてしまっているのです。

でも、その王道のやり方でうまくいかないからといって、能力がないわけではないのです。

ナマケモノっていう動物、ごぞんじでしょうか?

彼らは地面に置かれたら、ぐでっとなって這うようにしか動けません。木の上で暮らす動物ですが、その木の上でも動作は非常にゆっくり。

ところが、水に入るとプカプカ上手に移動できるのです。そしてその理由は、陸上でのゆっくりした動作をする性質があるからなのです。

英語も同じなのです。苦手の原因が実は、強みであった生徒さんをそれは多く見てきました。でもそれは残念ながら、なかなか自分では気づけない点でもあります。

自分の強みを知って最適な勉強法で学びたい!
そういう方はぜひこちらに、無料セッション希望と書いてご連絡ください。無料で45分強み診断セッションをプレゼントしています。

セッションお申込み
https://ssl.form-mailer.jp/fms/a793fe9e763920