【カタカナ英語】「バランス」という英語が通じなかった話

私がダンスを習っている先生の中にロシア人の先生がいます。

彼とのレッスンは英語メインに日本語を交えて会話します。

コロナ直前から日本に来て、日本語はかなり上達し、わたしも日本語の方が楽なので、ついややこしい内容になると日本語表現を混ぜたりします。

この前、この動きのバランスってどうやってとるの?と質問したら

「バランスはとらないよ」という答え。

なぜならバランスというのは止まっているときにしか取れないから。

というかバランスをとったまま動くことはできない。

バランスが取れているから止まっている。そこから動くにはバランスを崩さないといけない。

ああ、めっちゃ深い話、かと思いきや、そうではありません。

わたしが「バランス」って使ったからややこしくなったのです。

英語のbalanceは名詞と動詞があります。

名詞は「均衡」(静止状態)

動詞は「均衡を保つ」です。

確かに先生が言うように、動くためには均衡を崩し続けなければならず、動いている最中にぴたっと均衡することはないわけです。

だからHow can I keep the balance during the turn? という私の英語の質問は、先生にとってはターンして動きながら静止したバランスとるには?って聞こえたのでしょう。

ではbalanceじゃなく、なんと言えばよかったか。

stableとかstabilityという「安定」という言葉です。

How do I stay stable while moving? (安定して動くにはどうしたらいい?)

日本語まじりで話していると、ついカタカナ英語に意味がひっぱられてbalanceをバランスの意味で使ってしまう。こんなことはよく起こります。

でもそれがなんとなく通じてなんとなく通じない会話を生んでしまう。今回のように、別に深い話でもなんでもないのに、私が深いわ~とか感心するだけだったら、本当に知りたかったことは知れずに終わってしまいます。

カタカナ英語、要注意!

その英語、本当にネイティブに伝わってる?

年末年始、
動画配信サービスを見ていて、
なんとなく引っかかる英語がありました。

All to brighten the world

日本の大企業の広告で、
かなりの頻度で目にしたキャッチフレーズです。

理由ははっきりしていて、
この英語には
意味文法の両方で
少し無理があります。


「All」って、何のこと?

「すべて」というニュアンスを出したくて
All を使ったのだと思います。

でも All は、
何の「すべて」なのかが
はっきりしていないと使えない言葉

このフレーズを見ると、
つい考えてしまいます。

人のこと?
行動のこと?
商品?
それとも考え方?

ここが見えないと、
読み手は一瞬、立ち止まります。


文法もちょっと苦しい

All to brighten the world

英語では、
All のすぐ後ろに
to不定詞 を置く言い方はありません。

キャッチフレーズだから
削りに削った結果だとは思いますが、
それでも「ん?」とはなります。


日本語を見て、納得

気になって公式サイトを見てみると、
元になっている日本語は

すべては世界を明るくするために

なるほど、と思いました。

この日本語も
「すべて」が何を指しているのかは
やっぱりはっきりしていません。


英語がぼんやりする理由

日本語が曖昧なまま
英語にして、
さらに短くまとめる。

そうすると、
意味は伝わるような気もするけれど、
読み手の想像力に頼る表現になります。

英語が原因というより、
出発点の日本語の問題ですね。


英語の前に考えたいこと

英語で理念やメッセージを出すとき、
大事なのは
「正しい英語」よりも
何を伝えたいのかを
日本語で言い切れているか

そこが曖昧だと、
英語にした瞬間に
違和感として表に出ます。

このキャッチフレーズは、
その典型例だと感じました。

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