日本人が英語の音を早いと感じて聞き落してしまう原因に、子音をいちいち発音してしまう癖がある、ということを書きました。
子音はそもそも音じゃなくて口の形!!!
これは私のレッスンでは鉄則です。生徒さんたちには耳タコ、口が酸っぱくなるほど言い続けています。
今日はそこにもう一つ、加えたい。
まだあるん?と思った方、ごめんなさい。
でもね、一部の人には朗報です。洋楽好きな人、演奏する人、喜んで!
では発表。
英語は裏ビートを習得せよ!!!
ビート?裏?ってなった方のためにちょっと説明しますね。音楽やダンスする人にはおなじみの言葉ですが、そうじゃない方はピンとこないですよね。
西洋音楽にはリズムとビートがあります。
リズムというのは、同じ一定の長さの時間(一小節)に決まった数の拍子が周期的に刻まれパターンのことです。
4拍子のリズムなら1234と四つの拍子が123412341234とずっと続いていきます。
ビートというのは、リズムを構成する1234の各拍のことです。
例を挙げるとチューリップの歌。あれは4拍子のリズムで、「さ・い・た・あ」と4つの同じ長さのビートで1小節ができています。
裏のビートというのは、各ビートの間です。文字であらわすなら1 a 2 a 3 a 4 aのaの部分。
ドラムだと「ズン・ズン・ズン・・・」というメインのリズムの間に「ズン(チャ)ズン(チャ)ズン(チャ)・・・」とチャが入りますよね。このチャが裏です。
チューリップで裏に(ぁ)入れるとこうなります。
さ(ぁ)い(ぁ)た(ぁ)あ(ぁ)
1小節の時間の長さは変わらないので、裏ビートを取ると忙しくなりますね。
英語はこの裏にも音が割り当てられるのです。
実際、英単語の裏ビートの例を挙げますね。
今日のレッスンで生徒さんにスティーブ・ジョブスのスタンフォード大でのスピーチを聞いてもらっていました。
And Laurene and I have a wonderful family together. という部分を聞いたとき、最後のtogetherのtoが聞こえない、ということでした。
この部分、Jobsの話し方では、1小節目 And Laurene and I、2小節目 have a wonderful family、3小節目 together. という感じ。
3小節目はなんと[ga]という音が始まりの1ビート目に聞こえます。
togetherをto/ga/therという3拍だと思っていると、たしかにgaと同じ長さ、強さのビートとしてtoは発音されていません。だからtoがない!と感じてしまうわけです。
togetherという単語の最初のビートはアクセントのあるgeの部分で、toは2小節目と3小節目の間の裏ビートのところで始まっているのです。
なので、1ビート丸ごと与えられているgeと同じ長さでなく、半分以下の長さでしかも弱く発音されています。
英語では、この裏で発音される単語や音があるので、単語数が多いはずのに聞こえる音が少なく感じてしまう現象がおきます。
関係代名詞のthatなども、裏に入っているとかすかにthが聞こえたかな、ぐらいですが、表のビートにあるときはきっちりthatと発音されたりします。
これが英語が早くて聞き取れない、言えない、というもう一つの原因になっているのです。
そんな音楽的な感覚、なじみがないからますます難しいよ!という方、こんな練習をしてみてください。
英語を読むときや、暗唱するとき、拍手や膝うちなどで、拍子をとってほしいのです。そのとき、ズンチャ・ズンチャの感覚、つまり拍手や膝を打つときが表ビートのズン、手が上がるときが裏のチャ、これを感じながらリズムよく、ノリノリでお願いします。
英語、とくにアメリカの英語に、このビート感は欠かせません。自分がリズムを心地よく刻んで発音できるようになると、ネイティブの話すリズムに同調して、裏ビートにある音を聞き取る、想定する、ことができるようになります。
私もこの練習をするときは、立って指を鳴らしながら、ジャズシンガーのようにリズムに身体を揺らしながら行います。ぜひトライしてみてください!
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