一流になるための魔法の時間て
聞いたことありますか?
マルコム・グラッドウェルが「Outlier (外れ値)」という
著書の中で書いて
有名になった説です。
グラッドウェルはいろんな事象の
統計と研究を調べまくって
そこからあっと驚くような
ひとつの定理みたいなものを
導き出す天才です。
一流になるには
1万時間の練習をする必要がある。
ここで重要なのは
1万時間の練習をしたすべての人が
一流になるわけではないけれど
1万時間の練習を積まずに
一流になった人はいない
という事実です。
日本で英語の一流っていうと
政府の通訳者や翻訳者?
外務省の役人?
ハリウッド映画の字幕翻訳者?
つまり英語で意思疎通がとれるぐらい
海外ニュースを英語でさくっとよめるぐらい
であれば1万時間も必要ありません。
1万時間てどのぐらいかというと
毎日1時間勉強したとすると
1万÷365日=27.39726年
1流じゃなくていいなら
どれぐらいなのか。
ネットで調べたら
TOEFULのWebマガジンで
神戸女学院の先生が
英語圏の大学学部で勉強できるレベルになるのに
3000時間ぐらい、とおっしゃってました。
https://etsjapan.jp/toefl/webmagazine/ibt-faq/1802-4/
3000÷365日=8.219…
毎日1時間で8年強!
ネイティブの大学学部で勉強できるって
かなり流暢なレベルですよね。
アメリカ国務省のForeign Service Instituteという機関によると
英語ネイティブが日本語を「習得」するのにかかる時間は
全体で2200時間だそうです。
https://www.state.gov/foreign-language-training/
単純な話ではないですが
その反対も同じとすると
英語を習得するのに
2200÷365=6.027…
毎日1時間を約6年。
さらに
私たちは義務教育で英語を習っています。
文部科学省によると
中学と高校を合わせると
英語の授業時間は約630時間。
2200ー630=1570
1570÷365=4.30…
つまり4年強の間
毎日勉強するとだいたい
英語が身に付いた状態になる
という計算です。
「身に付いた状態」が
どんな状態なのかによりますが
4年間勉強し続けるって
けっこうな労力です。
でもグラッドウェルによれば
ビートルズも
モーツァルトも
1万時間の下積みがあったのです。
無我夢中で没頭する1万時間
きっとそれは彼らにとって
ちっとも苦しいことではなかったはず。
4年の英語の勉強をやりきるには
やっぱり決意や意思だけでは無理だと思いますし
一人でも厳しい。
わたしもプロになって2年目ぐらいで
自分が英語を学びだしてから
勉強した時間を計算してみたら
そこで1万時間でした。
1万時間はけっして
楽ではなかったけれど
楽しかった。
英語そのものも動機だったけれど
一緒に学ぶ人たちとのつながり
翻訳で成長していく楽しさ
そういったものにも
支えてもらっていました。
没頭できる仕組みや
楽しめる要素
習得後のビジョン
仲間やガイド
いかに自分への投資を
許可できるか
いかに勉強を遊びにできるか
そして学びたい自分を
どれだけ尊重できるか
こうしたことが
ポイントになります。
お読みいただきありがとうございました。
栗宇 美帆